2024.08.24 15:00でたらめなガラクタの車一八歳目前の春に、自動車教習所に通いはじめた。わたしの誕生日は五月なので、誕生日前の四月から通えたわたしはまだ高校三年生になったばかりだった。午後の教習のため、五限六限、ホームルームをすっぽかした。田舎特有の一時間に一本しかでない貴重な電車を見逃すわけにはいかない。変化のない生活にちょっとした刺激が欲しかったのと、卒業や春休みなどの混雑時期に同年代の人たちと教習所でまで顔を合わせたくないこともあっ...
2024.07.31 15:00満たされる穴 逃げてる 逃げてる満たされる、気持ちからずっと 逃げられない 逃げられない満たされない、気持ちからいつも いきたいね逃げなくてもいい世界みたいね逃げなくてもいい世界いいや いいや もういいや やめてみたやめてみた 逃げるのをやめてみた満たされない、気持ちから あーあ満たされない 満たされない...
2024.07.01 15:00学びかた初対面のかたに絵を描いていると伝えると、「(今)学生さん?」「美大へ行ってたの?」なんて聞かれることが多い。きっと深い意味はなく、時間や関係を育む上での会話の一環として質問してくれているのだろう。今はもう、そういった表面的な会話であると理解しているけれど、数年前までは表面的な会話ではない深層的な会話として捉えてしまい(わたしの癖)、返しに困っていた。ただ、返しに困っている自分を解消させるために自問...
2024.06.09 15:00縦社会でも横社会でもない、点社会「縦社会が終わり、横社会が始まっている」という言葉を聞いた。わたしは縦社会は好きではないし、同様に、横社会も好きではない。縦社会とは、上下関係のような権威や階位、それらを軸にした社会であり、横社会とは、左右関係のような家族や界隈、血や情けなど、それらを軸にした社会である。そんな認識がわたしの中にある。縦社会も横社会も必要な人にとっては必要なのだろうし、その人たちが価値を感じ、生きやすさに繋がるよう...
2024.04.24 15:00流れを止めない流れを止めるな流れを止めない事あるごとに、わたしの心の奥から聞こえてくる。この言葉とは長い付き合いになる。それほど、よく聞く。「流れを止めるな」の真の意味として、「人としてこうあるべきだ」なんていう最もらしい人間的美学を捨てるよう、心の奥のわたしが言っているのだ。優しさは美しい、わたしだってそう思うけれど、美しさが優しさというわけではないことを、心の奥のわたしが言っている。たしかにお金は幸せの一部...
2024.02.25 15:00血は関係ない 合わない人は合わない、見切りをつける。どうしようもなく合わない人がいるのだな、と、最近痛感した。 誰かを嫌いになることが好きではないのだけれど、わたしが唯一、心底嫌いになれた相手が父親だ。昔からそうだ。本当に、笑ってしまうほど理解できないし、理解されないし、受け入れられないし、受け入れてもらえなかった。今でこそ、線引きをした上で、穏やかに会話できるくらいにまでに変化したのだけれど、家族という括り...
2024.02.22 15:00完璧ではないからこそ完璧なのだわたしたちには生まれもった性質がある。地域でいえば特産物のような、その土地を代表する彩り。その土地の気温や天候、環境、土や水の質でしか育たない唯一無二の作物こそ、わたしたち人間の本質に近い気がした。わたしたちには、それぞれのわたしたちにしかない、それぞれの性質がある。その性質たちこそ、自分自身を代表する彩りだ。
2024.02.19 15:00自分が与えたいものを与える自分がされて嫌なことは、相手にもしない。自分がされて嬉しいことを、相手にもする。よくこういった言葉を見聞きする。わたしの場合、自分がされて嫌なことをしない、とか、自分がされて嬉しいことをする、とか、そういった考えはないなぁ、と自覚した日があった。まず社会に出て、自分自身がされて嬉しいこと、そして、嫌なこと、は、本当に人それぞれ違うんだと衝撃を受けた。小さな社会でいえば家族なのだけれど、そんな家族の...
2024.02.18 15:00対人関係のしんどさわたしたちは、本来、幸せであることが自然な状態。筋力を刺激して疲れが生じるのもまた自然ではあるけれど、それは肉体的/物質的な疲れであり、精神的にしんどいか?と問われると、また別の話。近年、随分と自由にはなってきているけれど、まだまだ根強い精神。「我慢は美徳」この精神は、一体どこからきてるのだろう。きっと諸説ある。個人的に感じるのは、しんどさこそ美しさ、といった独特な概念は、不自由が当たり前の世界だ...
2024.02.17 15:00他との結び大切な存在との結びに言葉は必要ない。経験上、猫や動物、赤ちゃん、他国籍言語者とも関わり合えるし、愛し合える。けれど、口頭による言葉でも、点字による言葉でも、手話による言葉でも、わたしたち人間にとって、言葉とは互いをより理解しようと深めるのにはとてもいい手段の一つだと思う。感じる、意識。整える、意識。伝える、意識。個人的に、この三つの意識が三位一体となって、愛のある結びが生まれる気がしている。感じる...
2024.02.14 15:00他人との境界線優しいと言われること、冷たいと言われること、どちらも同じくらいあるし、そして、どちらも同じくらい、自分でも自分に対して思ったりする。優しい冷たい以前に、わたしは他人の感情に同化しやすい性質があって、昔から他者と自分の境界線がとても曖昧である自覚がある。わたしを知ってくれている人なら分かると思うのだけれど、わたしの父と母は感情的で歪みあって暮らしていて、わたしが歳の離れた末っ子、そして唯一の女の子、...
2023.11.22 15:00出雲と章十月。二泊三日、出雲へ。いつの間にか出雲へ来ていた。出雲へ行きたい、と思ったわけではなく、というかこれまでの人生一度も脳裏に過ってすらなかったのだけれど(コナンを見ていると出雲や島根の回があって、「なんだかんだ毛利一家は旅行に行ってるなぁ、」とは思った。)、五月くらいに「秋に出雲に行こうよ」なんて誘われたので何も考えずにいいよと答えた。そして、いつの間にか現実になっていた。手配も何もしていない。ホ...