女性性


(2021)Watercolor,410×318mm(F6号)




絵を描くとき、理想から逆算して描き出すことは、あまりない。


いいな、と思った色を選び、いいな、と思った線を描く。

そしたら、見えてくるものが浮かび上がるので、仕上げていく。


わたし、と、わたし以外の見えないなにか、との、共同作業のような感覚がある。



この絵の女性も、急に現れた。

依頼を受けるにあたって、細かい要望はなかった。ただ、要望ではないけれど、「女性、を感じたい」という小さな声を聴いていた。

筆をとってからも、女性を描こうとはしていなかった。のにも関わらず、女性が現れた。



女性の本質、女性性とは、本来こういうものなのかもしれない。

突然、偶然、当然、・・・自然。


然、とは、そのまま、という意味らしい。

なら、自然とは、自分のままに、という意味なのだろうか。


たしかに、自然と言われるものたちは、そのものとして生まれたままに、自分のままに、ある。


突然であり、偶然であり、ただ、それすら当然であるかのように、自然である。



依頼の彼は、そういった女性性の気の流れを、今、自分自身の人生に必要としていたのかもしれない。


女性性は、未知だ。決まりがない。正解がない。常識がない。

わたしのいう本能は、内の奥の奥の、奥にいる、この女性が発しているのだろうか。


あなたの内にいる声の主に、耳を傾けてみる時間を。





◇原画 

 (2021) Watercolor,410×318mm

 SOLDOUT 


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