風に誘われた
風に誘われて散歩に行く。
朝でも、昼でも、夜でも。
家の中にいても、風に誘われて外へ出てしまう。
あれってなんなんだろうね。
このあいだ、すごくすごくすごく風が強かった。
強風マニアなわたしは、すぐに外へ出る準備を始める。
いいね、いいね、あぁ、いいね〜。
いつもより乱暴な風に興奮しながら散歩をしていたら、その日はなんと、十五kmも歩いてしまっていた。
今の季節、黄色になる前の銀杏の木が鮮やかできれい。
この日は本当に風が強すぎて、大きめの枝木があちらこちらに落ちていて、若干本気で危なそうだった。
突然、どさっと落ちてきたりもしていたし。
道端には大量に落ちていたから、いつ落ちてきてもおかしくないほどに強い風だった。
基本的に、イヤホンをしていて常に無音状態なのだけれど、たまに気配を感じる。
わたしの身体には四方八方に目があるのか、と自分でも驚いたりするくらい、小さなものを拾えたりする。
ふと上からなにかを感じて見上げると、
木々のあいだから見えた、二つの飛行機。
なんか、よく分からないけれどラッキーな気がした。
別にそんな迷信もなにもないのに。
次に、にゅっとしたなにかを感じ、横を見ると二匹の猫がいた。
そしたら、目の前でゴロゴロしだした。
あらら。かわいいこと。
即興ダンスを見せられた気分。
そして最近の最後は、カマキリさん。
どうして気付いたのか自分でも分からないけれど、隅にいるところを目撃。
枯れ葉が多いこの時期、君を見つけられてよかった。
風の強い寒い日には、この曲を聴きたくなる。
十年以上、いやもう、二十年近く聴いてるのかもしれない。
はじめてのライブも彼らだった。
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