酒場にて

「馬鹿で、痛くて、恥ずかしい人でありたいわ」

「そうすれば、それらに恐れる煩わしさはないじゃない」 

「本能なんて大抵、馬鹿で、痛くて、恥ずかしいものだもの」


 彼女の吐く水たばこの煙に、わたしは目を閉じた。




詩以上、短編小説未満。前後のない、切り取られた物語を創作しています。

前後の空白、登場人物たちの関係性、情景、状況、あらゆる背景は、読み手の想像に委ねます。