ここ


はなちゃん、っていう猫とばーばのYouTubeが好きで、よく見てる。

そのはなちゃんの、保護されてお家に来たばかりの頃の動画を遡っていたら、うちのここちゃんのときを思い出して、眠れない。(なんで)



猫、たくさん飼ってきた。

今時の言葉で言うと、全員が保護猫かな。

五匹まとめて捨てられていたのを父が引き取ったり、うちの庭にきた迷い猫、子猫、は、皆んな家族になった。


ももちゃんも、「わたしを飼って〜」な勢いでやってきて。

肩に乗ってきたり、離れなかったりして、人懐っこかったな。

今もそう。彼女の場合、誰にでもそう。

ドライに甘えん坊。意味もなく甘えん坊。

ずっと一緒にいて分かるのは、別に情が深いわけじゃない。笑

そこもまたおもしろいし、可愛いよね。

ただ人の上に乗りたい。自分に害を与えなければ、誰でもいい。

人間でも、そういう人いるよね。


ここちゃんも、うちの庭というか、敷地らへんを横断しているのをわたしが見つけて。

「おーい」窓から声をかけたら、彼女の動きが止まって。

直感的に、この子、家族になれたら嬉しいな、と過って、なにも考えず餌をあげた。

人間と一緒だね。まず、ご飯。



出会ったとき。

遠慮がなかったので二杯目。おかわり。


なんか、まったく警戒されなくて。

とりあえずお風呂で三回シャンプーした。

ドライヤー中も、ずっとゴロゴロいってて気持ちよさそうだった。

(今は無理かなぁ)


すぐに医者に連れて行って、検査したり、注射したり、お薬とかもらったり。



なんかかんやして、出会って二時間くらいで、わたしの腕の中で寝てた。

もう自分のうちみたいに過ごしてた。



全部、同じ日。

初日とは思えないほど寛ぐ。


今は、二歳、か、三歳、かな。

ちょっとどっちか忘れた。


徐々におっきくなって、今、遊びにくる人たちに「デブになったね」と言われる子。


最近の彼女。


今はすごく人見知りで、逃げて隠れて、出てこない。

インターホンが鳴ると、うう、と唸ってる。

番犬ならぬ、番猫状態。

出てこないから、裏でだけど。



実は、うちに入れた日の三日前に、近所の人が夜にうちにやってきて。

「この辺にうろちょろしてる子猫、押野さんちで飼わない?」とだけ言ってきたんだよね。

そのとき、その子猫は見ていない。

うちにはもういるからって断ったんだけど、その子猫が、まさかのここちゃんだったの。

まさか、のちに自分で家にいれるとはわたしも思ってなかった。


ここちゃんは、最初っからうちにくる運命だったんだね。

どんなに断っても避けても、なるものはなるんだな、って思ったよ。


これ、最近すごく思う。

どんなに避けても、どんなに逃げても、受け取るべくして与えられてるものは、必ず与えられるようになっている。